娘を救うために命を賭けた尚美は、記憶喪失とともにすべてを失い、帰郷した時には夫は新たな妻を迎え、子供たちも母を忘れていた。新旧ふたつの家族の間で揺れる母の愛と誇り、そして女としての再出発――愛か、家族か、それとも自分自身か。波乱の選択が、彼女と家族の運命を大きく変えていく。
十年の時を超え、システムによって蘇った私は、記憶を失いながらも冷酷な悪役・東雲圭吾を救う使命を背負わされる。亡き妻の面影を背負う私に降りかかる周囲の嘲笑と絶望的な任務——それでも、誰にも踏み込めない孤独な魂の奥底で、ほんの小さな希望が灯り始める。愛か、破滅か、私の選択がすべてを変える。