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禁断の村に咲いた罪 / 第5話:公園の謎と止まった時計
禁断の村に咲いた罪

禁断の村に咲いた罪

著者: 南 ほのか


第5話:公園の謎と止まった時計

少女たちの証言から「月に一度三人で町の公園に行く」ことが浮かび上がる。公園は雑草が生い茂り、桜の木の下には静けさが漂い、ベンチには落ち葉が積もり、木目が指にささくれた。

南西の隅に、オレンジ色の屋根の洋館が異様に目立っていた。窓にはカーテン、ポストにはチラシが溜まり、だが小道や草刈りの跡は新しく、誰かが出入りしている気配。

公園管理事務所を訪ねると、責任者の松田主任は「管理はしているが、あの家は別だ」と目を逸らした。監視カメラの映像では、少女たちが腕を組み嬉しそうに入園する姿が映っていた。

園内の他のカメラには一度も映らず、松田主任は「子どもはどこでも遊ぶから」と苦笑いした。

夏の終わりの空は高く澄み、私と木下の背中にはじっとりと汗が滲み、駅前の自販機の冷たい缶コーヒーを握りしめた。胸にざわめきが残るまま、私たちは映像を持ち帰った。

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