第4話:弾幕と孤独な少年
その時、空から雪が舞い始めた。
私は傷ついた腕を抱え、壁にもたれながら、遠くで東雲圭吾がすでに息子を連れているのを見た。
息子がそばにいても、その顔に温もりはない。ただ煙草をもみ消し、視線を落とし、息子の手を取って車に向かう。
彼の息子のランドセルが、雪の白に映えていた。父親の黒いコートに守られながらも、少年の瞳には影が落ちていた。
私の視線があまりにも強かったのか、乗り込む直前、少年が突然振り返り、じっと私を見つめた。
血と雪にまみれた私の姿はひどいものだったが、それでも本能的に、その美しい少年に優しく微笑んだ。
彼の視線は父親同様に冷たく、静かに私を観察している。
一度だけ、私を見た。
護衛が車のドアを開け、ゆっくりとドアが閉まる。車は一度も振り返らずに走り去った。
雪の粒が舞い落ちるなか、私はその背中を、いつまでも見送っていた。
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