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下着に仕掛けた復讐の夜 / 第2話:孤立と反撃の決意
下着に仕掛けた復讐の夜

下着に仕掛けた復讐の夜

著者: 和田 智


第2話:孤立と反撃の決意

どうやら私は変な奴に狙われているようだ。ベランダに干したパンティーが、いつも妙な臭いになって戻ってくる。始まったのは半月ほど前。いつものようにベランダで洗濯物を取り込んでいた時、パンティーを手に取った途端、鼻を突く異様な臭いがした。

その時の鼻を刺すツンとした感覚は、まるで生乾きの雑巾にカビが繁殖したような、どこか湿っぽくて、言い表しがたい不快さだった。東京の寮暮らし、こんなことが起きるなんて、想像もしなかった。

うっ——

反射的に顔をしかめ、思わずえずいてしまった。手に持っていた洗濯物を落としそうになり、背中に冷や汗が伝う。

思わずえずき、手に持っていた洗濯物を落としそうになった。その時はあまり深く考えなかった。最近雨が多いし、パンティーがベランダの床に落ちて汚れたのかもしれないと思った。しかし三日後、洗いたてのパンティーからまた同じ臭いがした。しかも今回はさらに強烈だった。

寮のベランダには、近所の焼き鳥屋やラーメン屋から漂ってくる臭いが混ざることもある。でも、これは絶対に食べ物の臭いじゃなかった。

すぐにルームメイトたちに聞いてみたが、皆首を振って「触っていない」と言い張る。臭いの原因を突き止めるため、まずは健康診断を受けたが、医者には「異常なし」と言われた。次に、違うメーカーのパンティーに変えてみたが、夜ベランダに干すと、やはり同じ臭いがつく。

さすがに不安になって、ネットで同じ症状を検索したが、どれも決め手がない。『寮 パンティー 臭い』と打ち込んでみても、出てくるのは怪しいアドバイスばかりだった。

この時、ようやく気づいた。問題はパンティーではなく、ベランダの方だ。もしかして、寮に変な奴がいるのかもしれない。

私はベランダの手すりや床を指でなぞってみたが、特に変な汚れはない。でも、何か見えない違和感が、胸の奥でざわついていた。

この章はここまで

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