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下着に仕掛けた復讐の夜 / 第1話:異臭のパンティーと寮の噂
下着に仕掛けた復讐の夜

下着に仕掛けた復讐の夜

著者: 和田 智


第1話:異臭のパンティーと寮の噂

私が下着にカプサイシンを塗り始めてから、洗ったパンティーにいつも変な臭いが残るようになった。最初はただの仕返しのつもりだった。でも、心の奥では誰にも言えない不安が渦巻いていた。

最初は、寮に変な奴が入り込んだのではと疑ったが、ルームメイトたちは皆、私が被害妄想だと言い張った。中には私についてひどい噂を広める者もいて、「パパ活してる」とか「変な病気を持ってる」などと言われた。

寮の廊下を歩いていると、スリッパのパタパタという音や共用冷蔵庫の貼り紙が目に入り、いつの間にかヒソヒソと噂話の渦に巻き込まれていることに気づく。わざとらしく視線をそらしながらも、みんなの目には明らかな警戒や好奇心が宿っていた。こういう空気は、日本の寮特有の、静かで重い圧力となって私を押し潰そうとする。

もう我慢の限界だったので、こっそりとパンティーに高濃度のカプサイシンを塗りたくった。その夜、夜の廊下に響く自動販売機のゴトンという音をかき消すように、寮中に悲鳴が響き渡った。

夜の静寂を破る甲高い叫び声は、まるで夏祭りの夜に突然鳴り響く花火のように、寮内の空気を一瞬で変えた。私は布団の中で小さくガッツポーズをした。

この章はここまで

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