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裏切りの結婚式 / 第4話:終わりの協議と新たな旅立ち
裏切りの結婚式

裏切りの結婚式

著者: 横山 すみれ


第4話:終わりの協議と新たな旅立ち

10

高橋蓮は、私に手を出すことはもうなかった。

私は本気でキレると何をするか分からないからだ。

彼は恨めしそうに私を睨んだ。

「もう美咲と離婚したんだ。まだそんなに偉そうにできるのか?」

「君には関係ないだろ。」私はそう言い返し、そのまま立ち去った。

家に帰ると、荷造りを始めた。

この家を望んだものの、長く住むつもりはなかった。

佐藤美咲との長年の苦しみを思い返し、今やこの家の全てが、ますます他人のもののように感じられた。

私はできるだけ早く家を売りに出した。

そして航空券を買い始めた。

佐藤美咲からもらった大金、しっかり使わせてもらうつもりだった。

しばらく旅に出て、離婚証明を受け取る時に戻ることにした。

出発前日、新しいLINEが届いた。

「こんにちは直樹様、私はブロガーのタイムカプセルです。あなたの街頭インタビュー動画は日曜の19時に投稿予定です。最終確認ですが、本当に公開しても大丈夫ですか?」

このメッセージを見ても、私は驚かなかった。

信じてもらえないかもしれないが——

佐藤美咲と高橋蓮の動画を見た翌日、私はあてもなく街を歩いていた。

偶然、同じブロガーに通りすがりとしてインタビューされたのだ。

同じ質問。

その時、私は可笑しくなった。

だが、なんという偶然だろう。

私はインタビューを断らず、答えながらふと思った——もし佐藤美咲が私の動画を見たら、どんな気持ちになるだろう。

「大丈夫です。公開してください。」

そう返信した。

同時に、最後の荷物を詰め終え、私は何の未練もなく家を出た。

最後に玄関で靴を揃え、深く頭を下げてから、私は静かにドアを閉めた。梅雨の湿ったアスファルトの匂いが漂う夜、遠くの自販機の明かりだけがぼんやりと光っていた。日本のどこか新しい街の、夜の灯りを思い浮かべながら。

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