雪の果て、私だけの自由を求めて
名家・東条家に嫁いだ沢良木涼は、商家の娘としての実利と知恵を持ちながらも、体面を重んじる家族に冷たく扱われ、やがて裏切りと孤独の果てに命を落とす。しかし再び生まれ変わり、今度こそ自分のために生きることを誓う。北海道への流刑の旅路で、家族の偽善や弱さ、欲望の本質を静かに見つめ、やがて自身の手で新たな人生を切り開いていく。雪に閉ざされた大地で、失ったものと得たものの重みを胸に、涼はもう誰にも頼らず歩き出す。人は本当に過去を超えられるのだろうか。彼女の選択が、静かな余韻を残す。