第7話:義姉の告白と崖際の罠
雪乃は私の腕に絡みつき、私は振りほどいてもまた寄ってくる。何度も繰り返し、私はもう無視することにした。
夜、薪を拾うとき、彼女は手を血だらけにしながら少しだけ薪を拾い、それを私に差し出した。
私は縮こまって薪を拾おうともしない東条家の人々を見て、雪乃に言った。「どうして彼らに渡さないの?」
雪乃は目を伏せた。「義妹、私はあの家族の本性が分かった。この家で、あなただけが良い人だわ。」
そう言いながら私の手を握った。「私たちはどちらも嫁いだ身、東条家では外様よ。」
私はしばらく彼女を見つめ、遠くで様子をうかがう東条家の人々を見て、結局彼女の手を振りほどさなかった。
夜、野宿のとき、私は包みから毛布を取り出してかけた。正之と知月の目は私の包みに釘付けだった。
静江はただ雪乃をじっと見ていた。
……
北へ進むほど、荒涼としていく。風が頬を刺す。靴底に霜がこびりつく音がした。
この移送の道は、まさに荒れ野。
「義妹、お腹が痛い!」雪乃は腹を押さえ、苦しそうに私を見た。
私はため息をつき、石の後ろを指さした。「あそこで用を足してきなさい。私はここで待ってる。」
この日々、雪乃は私にとても親切だったので、風間仁に声をかけて、先に進んでもらった。
護送隊が遠ざかると、雪乃はうつむき、私の腕を組みながらため息をついた。
「涼、私と正之様は、馬上で互いに見つめ合い、一目で心を奪われた仲よ。もし運命のいたずらがなければ、私は彼と結ばれていたはず。未亡人となってから、ずっと一緒にいられると思ったのに、彼はあなたのような金のことしか頭にない商家の娘を娶るしかなかったのよ!」
私は冷笑した。義弟と義姉、私が嫁ぐ前からすでに関係があった。
名家の裏には、こんなに汚れたものが隠れている。むしろ商家の方が愛憎をはっきりさせている分、潔い。
私は眉を上げて雪乃を見た。「それで?」
雪乃の顔は突然歪み、私の包みを奪い、私を崖の方へ突き飛ばした。
彼女はわざと私を崖際に誘導していたのだ。
揉み合いの中、私は必死で雪乃を掴んだ。
彼女は目を真っ赤にして叫んだ。「涼、死んでしまえ!全部お前のせいだ。お前が手を差し伸べなかったから、こんなことになった!」
私は怒りで言った。「正之はお前のことなんてもう気にしてないのに、まだ未練があるの?」
雪乃はにやりと笑った。「お前の父が包みを持たせた日、姑は聞いていたのよ。お前の包みには信物が入っていて、それさえ手に入れば北海道集治監でお前の家の財産を頼りに昔のような暮らしができるって!」
「正之様は言ったわ。彼は今でも私を愛してる。お前さえ始末して包みを手に入れれば、昔のように詩を詠み、ずっと一緒にいられるって!」
私は息を呑んだ。










