証拠としきたりの間で、静かな大晦日に溶けていく
証拠としきたりの間で、静かな大晦日に溶けていく

証拠としきたりの間で、静かな大晦日に溶けていく

現実 14 章 連載中 新作
著者: 広瀬 みく
作品情報
目次

あらすじ

初めての大晦日、夫・健太と共に佐伯家へ帰省した玲華。親族の集まりで、姑・富子やその姉・芳江から押し付けられる「しきたり」と、地方特有の空気に戸惑いながらも、玲華は自分の家系と記録へのこだわりで静かに対抗する。証拠を積み重ね、感情に流されず淡々と事実を示す玲華の姿は、やがて家族の空気を変えていく。年越しの騒動と朝の雑煮作りのなか、互いの距離が少しずつ揺れ動く。紙袋の温度や紅白歌合戦の音が、静かな年の終わりを照らす。二人の時間は、これからどこへ向かうのだろうか。

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