ジャスミンの香りが消える夜、もう一度だけあなたを思い出す
二か月前から彼氏との連絡が途絶えた美桜は、平凡で目立たない自分に自信を持てずにいた。彼の裏切りを目の当たりにし、静かに涙を流しながらも、誰にも弱音を吐かず大阪で新たな生活を始める。しかし、過去の恋と未練が心の奥で疼き、思いがけず危険に巻き込まれていく。そんな美桜の前に現れたのは、かつては遠い存在だった工藤仁。彼の腕の中で、少しずつ自分の居場所を見つけていく。ジャスミンの香りに包まれながら、過ぎ去った日々とこれからの未来を静かに見つめる美桜の選択とは——それは本当に「幸せ」と呼べるのだろうか。