Chapter 9: 第9話:隠しカメラが見たもの
「間宮雫の部屋の窓のエアコン室外機に隠しカメラがある。九条家の庭を斜めに映していて、九条厳一郎が右側の回廊を通るのが撮れる。帰宅時間を再確認できる。」
「なぜ早く言わなかった?」
「早く言えば早く外されて、火事まで残らなかった。それに……」
「それに何?」
「何でもない。」
本当に必要になるまで、見せたくないものがある。
特に証拠として何度も見られるのは。
カメラは火災前の九条厳一郎を撮影していた。
彼は家にいたどころか、家中に助燃剤をまき、火は瞬時に燃え広がった。
地下の白骨との直接的な関係はまだ証明できないが、放火の罪は逃れられない。弁護士がどれほど優秀でも、警察署にもう少し留めて厳しく取り調べるしかない。
だが、カメラに映っていたのは九条厳一郎だけではなかった。私も映っていた。
湊が外出してすぐ、彼を殴って気絶させて連れ戻した私。
さらに、庭や芝生、プールサイド、ベンチで、全裸で様々な姿勢で貫かれている私。
土門刑事は私の前で十分も黙り込んでいた。
明らかに監視映像は彼に大きな衝撃を与えた。
殺人事件の捜査のついでに、わいせつ事件まで発覚した。
「カメラが最初に記録を始めたのは共通テスト最終日の夜。君は九条厳一郎が証拠を隠滅すると予想して、どうやってあの位置にカメラを仕掛けた?」
「間宮結衣が設置した。」
「間宮結衣?君たちは計画していたのか?君は間宮雫を絞め殺したと言ったが、間宮結衣は知っていたのか?」
「知っていた。」
「では、なぜ君を助けた?彼女は……」
「私を殺すべきだった。」
私は土門刑事の言葉を遮った。「私が言ったんだ。間宮雫を絞め殺したのは私だけじゃない、湊もだ、と。」
「そして、私は湊を殺す。」
「カメラは私の犯罪の証拠を記録し、私は法の裁きを受ける。」
「間宮雫の死に証拠はなく、彼女は私を正々堂々と罪に問えない。だから私の言うことを聞くしかなかった。鳴海櫂人と一緒に北海道へ行って視線をそらすことも。」










