Chapter 7: 第7話:バズる溺死動画と買われた自白
彼がまた戻ってきて庁舎側の内鍵をかけたとき、その表情はさらに厳しかった。
ネット上で突然ある動画が拡散された。
【共通テスト県トップの死――トップの栄光の陰にある真実】
動画には、湊がプールから生気のない体を引きずり出し、蹴っても動かず、岸の水が淡く赤く染まっていた。地面の人が生きているかは分からない。
だがすぐに、鳴海陽子失踪のニュースが投稿され、動画の人物が鳴海陽子であり、三件目の事件で見つかった小指も鳴海陽子のものだと、大胆に推測された。鳴海陽子はすでに死んでおり、遺体は九条邸にあるのではないか、と。
一時、ネットは大騒ぎとなった。
捜査情報は外部に公開されていないため、警察は動画の投稿者の送信IPを特定し、投稿拠点が鳴海櫂人や間宮結衣の関係先であることを確認した。関係者と見られる人物に任意同行を求め、家宅捜索の令状を申請する流れとなった。
「送信IPはもう特定した。これから事情聴取に入れる。狙いはそれか?ずいぶんでかい芝居だな。」
土門刑事は入ってきて、再び赤いランプを上席許可で消した。「今は休憩扱いだ。録音停止中である旨は記録に残る。」
「鏡シンは何と言った?」
「言ったさ。実に見事だった。」
「嫉妬で殺したと言い張った。湊の家柄や成績が不公平だって。全体的に“サイコ”を気取っていたが、計画の細部は語れず、見え透いた嘘のまま自分が犯人だと押し通している。」
「財布については、葉山の路地口で車から投げ捨てられたものを鏡シンが拾った。車は偽造ナンバーで、追跡中だ。」
「だが星名、君たちが大きく騒ぎを起こしたことで、広報の発表方針が厳しく問われている。現時点では鏡シンを重要参考人から殺人容疑の被疑者として扱い、送致前に更なる裏付けを急ぐ。進展がなければ警察としても苦しい立場だ。」
「それが君の望みか?」
外からドアをノックする音と、上司からの呼び出しが聞こえた。
「土門!ドアを開けろ!監察から録音録画の遵守について注意が来ているぞ!鍵は?鍵を戻せ!」
「鍵……見つからない。どうやら土門班が持って入ったようだ。」
土門刑事は外を無視し、私をじっと見つめた。
「小指は鳴海陽子のものだ。前の二本の指のように強いアルカリで腐食されていない。法医学者は、冷凍と加熱で骨を抜き出したものだと推測している。」
「プールの動画の後はどうなった?」
「九条厳一郎は以前医者だったが、医療ミスで解雇された。鳴海陽子の事件も九条厳一郎と関係があるのか?」
「星名、教えてくれ。君たちを助けられるかもしれない。でなければ鏡シンが身代わりにされ、君たちの努力が無駄になる。それを望むか?」
外の騒音はますます大きくなり、今にも土門刑事を引きずり出しそうな勢いだった。
「九条邸一階の書斎の机の下に隠し扉がある。スイッチは本棚の三段目『遺体変化図鑑』の後ろ。鳴海陽子はその中だ。」
土門刑事の顔は厳しかった。「星名、捜索令状を申請する。嘘はつかないでくれ。」
「鳴海陽子が死んだとき、私は見た。」
「よし、君は鳴海陽子事件の目撃者として証言してもらう。その証言で捜索令状を申請する。今からカメラをつける。さっきの話をもう一度言ってくれ。」
土門刑事が立ち上がり、赤いランプが点滅した。
「どこで鳴海陽子が死ぬのを見た?どうやって死んだ?」
「間宮家の窓から。九条厳一郎が彼女を何度もプールに沈めて溺死させた。」
「湊じゃないのか?」
「違う。九条厳一郎だ。湊は彼女を引き上げただけ。」
「遺体はどこに?」
「一階書斎の机の下に隠し扉がある。扉を開けると階段があり、降りて二部屋進むと、小指のない骨格模型がある。」
土門刑事の表情が変わった。「模型の骨格?どの?」
「うん、探してみて。鳴海陽子はそこにいる。でも、彼女だけじゃない。間宮雫も、それから知らない人もいる。」
「間宮雫?間宮結衣の妹の雫?」
「うん。」
「彼女も九条厳一郎が殺した?」
私は首を振った。
「違う。私が絞め殺した。」
「彼女は長い間もがいていた。私は必死で力を込めた。」
「ずっと力を込めて、ようやく動かなくなった。」
「私が自分の手で彼女を絞め殺した。」










