Chapter 4: 第4話:消えた家庭教師先の妹
証拠袋の小指と一緒に、二枚の写真が現れた。
土門刑事は写真の二人を指差した。「知っているか?」
私は首を振った。「知らない。」
「この二人が桐島悠と一緒にグループを離脱し、今はどちらも行方不明だ。」
「失踪したの?」
土門刑事は私を見つめる。「君はどう思う、失踪か、それとも隠れているのか。」
「分からない。彼らに聞くべきだ。」
「それとも、すでに死んでいて、遺体がまだ見つかっていないだけか。」
「早く見つけてほしい。そうすれば何が起きているのか分かるだろう。」
「星名、」土門刑事は女子の写真を指で叩いた。「彼女、本当に知らないのか?」
「知らない。」
「だが、彼女の家は九条家と同じ葉山の高級住宅街だ。」
「それがどうした?」
「彼女の家は九条家の隣家だ。調査に間違いがなければ、君は高校二年の時に彼女の家で家庭教師をしていた。その時教えていたのは彼女の妹で、中学一年生だった。それに、特進クラスに転校する前は、間宮結衣と同じクラスだった。」
「ああ、思い出した。なら知ってる。」
「星名!!!」
土門刑事が机を叩いて怒鳴った。
私の弱い鼓膜が痛んだ。
「すみません、記憶が悪くて。昔、自分が若年性認知症じゃないかと疑ったけど、そんな病気はないみたいで……」
「彼女の妹がいなくなったのは、君が家庭教師をしていた期間だ。今も見つかっていない。そんな大事なことを忘れたのか?」
「忘れた。」
土門刑事が再び机を叩く前に、私は耳を押さえた。「もう少し優しくしてください。耳が痛いです。」
土門刑事は明らかに私がわざとふざけていると思っていたが、私は本当に痛かった。
また血が出そうな気がした。










