Chapter 3: 第3話:白骨の小指と三十三回の着信
大問題だ。
切断面から判断して、三日以上前にはすでに切断されていた。
今は、中指がないだけで、本人が生きているかどうかが問題だ。
誰もが固唾を呑んで見守っていた。連続二件の凶悪殺人事件、しかもどちらも高得点の学生。社会的にも大きな騒ぎとなり、三件目は絶対に起こせない。
ようやく携帯電話の位置が特定されたが、皆の不安は消えなかった。
人里離れた場所で電波が弱く、時折途切れたが、場所は発見以来ずっと変わっていなかった。
距離が遠く時間もないため、まずは道警に協力要請し、現地警察が急いで向かった。しかし、微弱な携帯の信号の場所では、わずかな遺体の破片しか見つからなかった。
野外は危険で、消えた遺体の一部が誰の腹に収まったのかも分からない。
携帯電話の信号の発信源も見つからなかった。
最後に、干からびた血痕の下を半メートルほど掘ると、鉄の箱の中から携帯電話が見つかった。
箱の中には携帯のほか、小指が一本入っていた。
小指はもう白骨化していて、標本みたいにきれいに残っていた。
DNA鑑定の結果、遺体の一部は中指の持ち主・桐島悠に間違いなかった。
死亡時期は湊よりも前で、三人の中で最も早く死亡した。
そして、彼が私にかけてきた電話は最多だった。
三十三回の不在着信。
一回の応答。
応答したのは湊だった。
この電話のせいで、あの日私は死にかけた。
土門刑事は、三人の死が私と関係していると再び確信したようで、戻ると真っ先に私のもとに来た。
私が一時保護で署に残りたいと申し出たら、彼らはその意志を尊重した。食事は庁舎の食堂、所持品は同意書の上で一時預かり、携帯がない以外は困らない。安全確保のための滞在だと土門刑事が説明した。
だが、私には特に支障はなかった。もともとあまり携帯を使わなくなっていたからだ。
慣れというのは恐ろしい。
湊もそうだった。
もし彼の習慣がなければ、あんなに簡単には死ななかったかもしれない。
土門刑事は白骨化した小指の証拠袋を私の前に置いた。
警察は手がかりを失っていた。
小指の身元はまだ分かっていない。
彼らは怯えていた。次の被害者の遺体が突然現れることを恐れていた。
白骨化し、保存状態の良い小指は、明らかに人がすでに死んでいることを示していた。










