Chapter 14: 第14話:動画と嘘の招待状
そのため、私は受け身だった。動画があっても何もできず、湊という厄介者に巻き込まれた。
湊は、私が本当に携帯を持っていないと分かると、もう私の持ち物を漁ることはなかった。だが、彼の一言が私を不安にさせた。
「君が携帯を持っていないなら、あの日持っていた携帯は誰の?あの時君のそばにいた小さな女の子のかな?彼女も見ていたんだね。」
湊の言葉は悪魔の囁きのようだった。名前を呼ばれた者は皆不幸になる。
「彼女の携帯じゃない。彼女は見ていなかった。強度の近視だから!変なことしないで!」
「君の言葉を信じる理由は?」
「携帯は君に渡す。隠していた。携帯は本当に私のだ。」
「渡されても意味がない。バックアップがあるかもしれない。」
「じゃあどうすればいい?君がずっと私を困らせていたのは携帯が欲しかったからだろう!今渡しても満足しないのか?一体どうしたいんだ!」
「君がそこまでこだわるのは、動画に殺人の証拠が映っているからか?」
「その女性はもう死んでいるのか?君たちが殺したのか!」
私は本当に気が狂いそうだった。
湊は逆に笑った。
「会いたいなら会わせてやる。週末の合宿の時に家に来い。彼女を見せてやる。君のその携帯と小さな女の子も連れてこい。」
「なぜ雫を連れて行く?」私は警戒した。
「連れてこなくてもいい。ただ二人とも見せてやりたいだけだ。後々面倒にならないように。」
湊の言葉は信じられない。
雫は連れて行けない。
携帯も持って行けない。
一つはそれが雫のものだから。もう一つは、湊の言葉に矛盾があると思ったからだ。
もし女性が生きているなら、私の動画はそれほど重要ではない。ただの暴力事件だ。
九条家では毎日のように起きていることだ。
彼らは恐れていない。動画に執着する必要もない。
湊が嘘をついているのだ。
だが、私は行かなければならなかった。
万が一、女性が本当に生きていれば、湊に話して今後関わらないようにできる。私は本当に彼から解放されたいと思っていた。
数千円で中古の携帯を買い、動画をパソコンに移し、その後携帯に移して雫の携帯からは削除した。
雫は私の一連の行動を見て、何をするのか、警察に通報するのかと聞いた。九条家は危険だからやめてほしいと。
特に最近、窓を開けると湊がよく見えると言った。
湊の天体望遠鏡が雫の方を向いていた。
湊は見ていなかったが、望遠鏡の角度が彼女を緊張させた。
ここ数日、カーテンは開けていなかった。
私は雫に携帯を返した。「怖がらないで。すぐに全部話してくる。あの女性が無事なら、全て解決するから。」
「望遠鏡も元に戻させる。戻さなかったら警察に通報して盗撮だと言えばいい。」
私は軽く装ったが、実はとても緊張していた。










