Chapter 6: 第6話:若様の幼稚な復讐計画
西園寺翔はネクタイを緩め、無造作に放り投げた。
酒のせいか、心がざわつく。
ずっと従順だった美桜が、何も言わずに去り、別れを告げたことは、彼にとって意外だった。
だが、西園寺翔は自分を責めるタイプではない。
小さい頃から、欲しいものは大抵手に入ってきた。
女の子にフラれるなんて想像もしなかった。
美桜は唯一、公に認めた彼女だった。
他の女とは違う。
自分が別れると言わなければ、美桜は永遠に別れられない。
西園寺翔は携帯を開き、番号を押した。
「最近、大阪にいるんだって?」
「ちょっと頼みたいことがある……」
「うん、彼女を傷つけないでくれ。復讐したいわけじゃない。」
彼はただ、美桜に思い知らせたかった。
彼だけが彼女を守れる。
自分のそばにいれば、彼女は自由に生きられるのだと。
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