Chapter 2: 第2話:パーティーで終わった恋
友人の誕生日パーティーはなかなか盛大だった。
西園寺翔とは一緒に来なかったので、入場にも少し時間がかかった。
ウエイターに案内されて会場に入ると、すでに賑やかな雰囲気だった。
美しいドレスや髪型の人々があふれている。
いくら頑張って着飾っても、私はやっぱり人波に埋もれてしまう。
だから、賑やかな人波の後ろで、私の到着に気づく人はいなかった。
みんなの視線は、西園寺翔とその隣にいる驚くほど美しい女性に注がれていた。
あんなにきれいな女の子は見たことがない。
彼女を見ていると、嫉妬や羨望すら湧いてこない。
シンプルな黒いワンピースに、髪を下ろし、パールのピアスだけ。
ほぼノーメイクで、堂々と西園寺翔の隣に立っている。
二人はまるで理想のカップルのようにお似合いだった。
友人たちは我慢できずにからかい始めた。
「若様、紹介して~。」
「こんな美人、去年のミスコン優勝よりすごくね?」
「そうそう、これが本当のあなたの好みでしょ?それにしても、どうして昔は辻村美桜に惹かれたの?」
私の名前が出たあたりで、みんなようやく西園寺翔に正規の彼女がいたことを思い出した。
場の空気が一瞬、凍りつく。
西園寺翔が突然口を開く。「どうしてみんな黙っちゃったの?」
「はは、みんな単に興味があるだけだよ。」
「だって、君が辻村美桜と付き合ったのは本当に意外だったから。」
西園寺翔は気だるげに笑った。「普通の女の子と付き合ったことがなかったから、試してみたかっただけさ。」
「まあ、いいんだけど、ちょっと普通すぎるよね……」
みんながまた冗談を言い合い、笑い声が戻る。
私は最後列の目立たない隅に立っていた。
西園寺翔とその女性が、まるで星の中心のように人々に囲まれているのを見つめていた。
二年も経ったのに、また振り出しに戻った気がした。
彼はいつも、みんなの中心に立っている。
私は、いつも人混みに埋もれる平凡な女の子だ。
自分から惨めな思いをしに行くこともなかった。
でも、泣きもしなかった。
悲しすぎて、もう何も感じないふりをするしかなかった。
それでも、西園寺翔がその女性のために酒を断り、彼女を守るように立った瞬間――
胸が急に痛んだ。
まるで針で刺されたように、血が滲み出るような痛みだった。
昔、西園寺翔を追いかける美しい女の子は、学内中に星の数ほどいた。
でも彼はわざわざ私を選んだ。
本当に心を入れ替えたのだ。
どれだけ多くの人が驚いたことだろう。
私は、少女漫画の中の放蕩息子の恋を終わらせる幸運なシンデレラになったつもりでいた。
でも今は、すっかり目が覚めていた。
心がふっと冷えて、深く息を吐く。もうここまでだ。私と西園寺翔は、本当に終わったのだ。










