Chapter 13: 第13話:校門の攻防と元彼への一撃
半月後。
いつものように学校の門を出ると、工藤仁の車がまだ来ていなかった。
その時、路肩の黒いSUVから男たちが数人降りてきた。
私はとっさに校門へ引き返そうとしたが、すでに道を塞がれていた。
男たちはスーツや私服姿で、じりじりと距離を詰めてきた。リーダー格の男が低い声で「ちょっといい?」と呼びかけ、腕をつかもうとする気配があった。
全身が震え、叫ぼうとした瞬間――
眩しい車のヘッドライトが突如現れた。
見慣れた車体、工藤仁のレクサスだ。
私は嬉しさで思わず彼の名前を叫んだ。
車が止まるや否や、工藤仁はドアを開けて降りてきた。
後ろの車からは屈強なボディガードたちが飛び降りてきた。
私を囲んでいた男たちはすぐに逃げ去った。
私は足がすくみ、その場に倒れそうになった。
工藤仁は素早く私を支えた。「もう大丈夫だ、美桜。」
彼は私の背中を優しく撫で、しっかりと抱きしめた。
私は恐怖で立っていられず、彼の胸にしがみついた。
「工藤さん、足が……立てない。」
「大丈夫、車まで運んでやる。」
彼は私の頭を撫で、かがんで抱き上げた。
その時、西園寺翔の声が聞こえた。
「美桜。」
夜が深まり、西園寺翔は一人、車のそばに立っていた。
彼の顔は暗闇に包まれ、感情が読み取れなかった。
工藤仁は足を止めた。
西園寺翔は自嘲気味に笑った。
「仁さん、今日俺を呼んだのは、このためだったんだな。」
工藤仁は否定しなかった。「翔、自分でチャンスを差し出したんだ。」
「俺はそれを逃さなかっただけさ。」
「仁さん、わからないよ。俺はずっとあなたを兄と慕ってきたのに、これはあんまりじゃないか?」
「俺が何をした?」
「俺と美桜の関係、知ってるはずだろ……」
「どんな関係だ?」
工藤仁は冷たく遮った。「俺の記憶が正しければ、電話でお前は『もう別れた』と言っていたはずだ。」
「そうだ、美桜は俺に別れを切り出した。でも俺は認めてない。」
「だから、こんな手を使ってでも彼女を取り戻したかった。」
「別れるのに、お前の同意なんていらない。彼女がそう言ったら、その時点でもう終わりだ。」
「わかったよ。でも美桜は俺の元カノだ。二年も付き合った……」
西園寺翔はタバコを取り出し、火をつけて皮肉な笑みを浮かべた。「仁さん、どうして俺が抱いた女をわざわざ拾うんだ?」
「わざわざ俺に嫌がらせしたいのか?」










