第7話:終わりの始まり
淳は心配そうに私を見つめていた。
私は友達だと説明し、先に帰ってもらった。
淳は何度も振り返りながら去っていった。
私は階段を上がる。
尚人はゆっくりと後ろからついてきた。
鍵を取り出してドアを開けようとした。
「どうして来たの?」
「来なければ、誰かを家に連れ込むつもりだったんだろう?」
その声はとても冷たかった。
どうせもう別れるのだから、誰を連れていようと彼には関係ないはず。
ドアが開く。
彼に水を出そうとした瞬間、
彼は私を強く引き寄せ、目を合わせるように迫った。
「友達?俺のことをそう紹介するのか?まだ離婚していないだろう。」
「もうすぐするじゃない。」
彼は冷たく笑った。
「夕香、俺はお前に甘すぎたのか?勝手に他の男を探して……」
心臓が跳ねた。
「全部知ってるの?」
「俺はお前の夫だ。何か欲しいなら、まず俺に言え。満足させてやれないわけじゃない。」
荒々しいキスが降り注ぐ。
私は抵抗した。
彼は長い脚で私の動きを封じ、獲物を簡単に追い詰める。
「尚人、頭おかしいの?もう離婚するのに……」
「とっくに狂っていればよかった。」
彼の目には、ぞっとするような独占欲が宿っていた。
唇は噛まれて痛む。
次の瞬間、
彼は私を持ち上げ、玄関に押し付けた。
和室と洋室の狭間で、畳の縁に足が当たり、玄関の冷たい床が肌に沁みる。夜風が隙間から音を立てて入り込み、この町の熱気と日本家屋の静けさが入り混じる。
私は無力感に襲われ、心が激しく波打つのを感じた。
尚人の腕の中で、私はもう逃げられないと悟った——次の瞬間、彼の低い声が耳元で囁いた。「どこにも行かせない。」
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